大岡昇平bot

「人生の師」と出会いたいなら

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大岡昇平『戦争とは』 とにかく核兵器はいけません。これ、全部壊してやめてしまうというところへ、なんとかして持っていかなきゃ、(略) そんな有害な核というものをどうして捨てることができないかというと、お互いに実験を行ない、迎撃用ミサイルをどん…

大岡昇平『事件』 「最近の青少年の道徳頽廃という問題だけではないと僕は考えます。宏の行動は一般に都市近接農村の農業放棄、青少年の離村傾向と切り離しては、考えられません。父親の喜平が、宏を茅ヶ崎の工場へ働きにやったのも、田圃を手伝わすよりは、…

大岡昇平『俘虜記』 駐屯中多くの兵士が日夕点呼後の短い時間に、暗い椰子油の燈火の下で、熱心にその日の出来事や感想を綴り続けた。 私の職業は俸給生活者であるが、一方古い文学青年として、この種のナルシシスムを意識して嫌悪してゐた。私の考へでは、…

大岡昇平『少年』 自己を言語化するとは解釈するということである。

大岡昇平『常識的文学論』 こう考えて来ると、ある作品を賞めたか貶したかは、実は問題ではないので、文学を常に読者の前に現すのが、文芸時評の役目ではないのか。

大岡昇平『第二の戦後か』 どんな危機にも必ず儲ける人間はいる。政府は必ずそういう人間の味方である。

大岡昇平『「レスビアニズム」考』 私に生まれつき女性的傾向があるのは、就学以前に女になりたい、と思ったことがあり、女の子とばかり遊んでいたのだから、たしかなことである。従って私はいつも女性の味方だったつもりである。

大岡昇平『音楽による感動』 絶望は過去に固執することから生れますが、思い出によって、対象化するのは、過去から解放されることです。音楽には聴く者の思い出を正確にたどることはできないが(第一これは個人的なことです)それを喚起し、音楽の時間の中に…

大岡昇平『書物に欺かれる現代人』 我々は(文芸作品の)読後、或いは観劇の後に、何か自分の意見をいうのをためらう傾向はないか。新聞雑誌に現われた批評によって、我々の印象が確かめられた後、始めて確信をもって何かをいうのです。文芸時評、劇評の求め…

大岡昇平『幼年』 現在私は小説家という女性的職業に従事している。腕力はなく、中学に入ってから議論が好きになっただけで、けんかは嫌いである。胸毛とか筋肉を誇示する同性は嫌いである。フィリピンの山中で一人取り残された時、敵を殺すことを放棄してし…