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大岡昇平が私たちに教えてくれること

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大岡昇平『戦争』あとがき 「国難」「非常事態」など状況の概念化、情報操作の組織化の現状にあっては、なにか事があればひどい目に合うのはまたもやわれわれ国民ではないか。

大岡昇平『人間差別がたどる運命』 社会の情報化がすすむにつれて言論の果す役割は大きく、体制側にとって統制が必要になって来る。戦時中と同じように御用学者がまた発生する。彼らは論理ではなく、ただことばを飾るだけの修辞学によって管理社会を弁護する…

大岡昇平「成城だより」 事件は支配者の好むことしか伝わらない。

大岡昇平『遺稿(ひとむかし集)』 次の原発事故は、日本かフランスだろうといわれている。ところが日本は電気も余っているが、銭も余っているので、世界で原発を増設しようとしている唯一の国だそうだ。出力調整なんて数やっていれば、確率的にリスクは大き…

大岡昇平『俘虜記』 私は既に日本の勝利を信じていなかった。私は祖国をこんな絶望的な戦に引きずりこんだ軍部を憎んでいたが、私がこれまで彼等を阻止すべく何事も賭さなかった以上、彼等によって与えられた運命に抗議する権利はないと思われた。