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大岡昇平が私たちに教えてくれること

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大岡昇平『中原中也の思い出』 こうした中原の観察はめったに間違わないものだった。彼はいつも自分の感覚しか語らなかったが、彼は決して嘘を吐かなかったし、何より自分の感覚を正確に表現することに気をつけていたから、その言葉は常に外界の何物かを伝え…

大岡昇平『常識的文学論』 マスコミとレジャー・ブームの現代にあっては純文学はハイ・ブラウ即ちいけすかない奴の文学として排斥される傾向がある。

大岡昇平『成城だより』 しかし文士諸兄に一番気になるのは、巻末の代表三三校の国文学卒論項目なるべし。去年も買ったはずが、なぜか保存してない。漱石、芥川、太宰、三島のずば抜けての上位御四家は動かず、筆者も人後に落ちず、むきになって探したが、一…

大岡昇平『戦争』 いよいよここが最後だというとね、まわりからこう押しつけられるような気持、まあ、この気持は戦争にいかないとわからないだろうな。こういう目にあわなきゃなかなかわからないわけだよ。 その時は敵に会って殺されるという風には考えなか…

大岡昇平『レイテ戦記』 レイテ島の戦闘の歴史は、健忘症の日米国民に、他人の土地で儲けようとする時、どういう目に遇うかを示している。それだけではなく、どんな害をその土地に及ぼすものであるかも示している。その害が結局自分の身に撥ね返って来ること…