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大岡昇平が私たちに教えてくれること

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大岡昇平『成城だより』 結婚を目標とする恋愛は、大抵は金のためと考えることが出来るのだ。『武蔵野夫人』の勉君の純愛だって、道子の財産のことが、一瞬も考慮に入らなかったなんて、思ってもらうわけには行かない。

大岡昇平『書物に欺かれる現代人』 「僕もそうだと思っていたんだ」このせりふは現代社会における判断の一番典型的なものです。こういう判断の累積はやがて「世論」「常識」への順応となり、ナチズムとか大東亜共栄圏とかへの、今日では不可解な追従となって…

大岡昇平『わが文学生活』 つまりぼくには、日常生活に生きている人間が、実は一つの大きな政治的な力で支配されているんだという認識があるわけですよね。

大岡昇平「わが師わが友」 「鉢の木会」の連中はみんな孤独である。徒党を組むなんて、殊勝な志を持った者は一人もいない。 「文学者なんて、どんな親友でも、いつうしろからグサリとやられるか、わかりませんからね」と、これは三島由紀夫の感想である。 福…