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大岡昇平が私たちに教えてくれること

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

大岡昇平『第二の戦後か』 どんな危機にも必ず儲ける人間はいる。政府は必ずそういう人間の味方である。

大岡昇平『幼年』 現在私は小説家という女性的職業に従事している。腕力はなく、中学に入ってから議論が好きになっただけで、けんかは嫌いである。胸毛とか筋肉を誇示する同性は嫌いである。フィリピンの山中で一人取り残された時、敵を殺すことを放棄してし…

大岡昇平『噛みつき帳』 オリンピックはアマチュアの争いだから、出さえすればいいのである。そして全力を尽すだけでいいのだ。会場まで日本へ持って来て、汚職の種をふやさすことはない。

大岡昇平「わが文学生活」 万年筆は安物をどんどんつぶすんです。1950年頃は、東京駅で拾ったやつを使ってました。最近はずっと中国製のヒーローだったけど、こないだ子供たちがペリカンをくれました。子供の時からのくせで、文房具にはこらないんです。

大岡昇平〔古谷綱武『自分を生きる』〕 現代のように評価の基準の混乱している時代では、人はどこかで自分に不足しているものに思い当らされるものである。自分の欠点を長所に転ずる方法を考え出さなければ生きていけない。

大岡昇平『野火』 「わかりました。田村一等兵はこれより直ちに病院に赴き、入院を許可されない場合は、自決いたします」 兵隊は一般に「わかる」と個人的判断を誇示することを、禁じられていたが、この時は見逃してくれた。

大岡昇平『エンターテインメントとポストモダン』 日常生活といっても、それは今やテレビのホームドラマをまねた演劇人生と化しつつあります。