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大岡昇平が私たちに教えてくれること

大岡昇平『幼年』

 現在私は小説家という女性的職業に従事している。腕力はなく、中学に入ってから議論が好きになっただけで、けんかは嫌いである。胸毛とか筋肉を誇示する同性は嫌いである。フィリピンの山中で一人取り残された時、敵を殺すことを放棄してしまったのも、こういう私のおとなしい性質の結果だと思っている。