2022-12-20 ■ 大岡昇平「文学の運命」 戦後二十年、私はもう五十六歳である。この先何年生きられるか。日本はこれからどうなろうと、よし人類が滅亡しようと、どっちでもいいといえないこともない。しかし将来に幸福の可能性を持った若者たち、私の娘や息子はどうだろうか。これからの兵隊は五十歳以上に限るということにならないだろうか。