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大岡昇平が私たちに教えてくれること

大岡昇平『愛について』

 梶本は正常な結婚生活を送り、子女に十分な教育を与えることが出来る、理想に近い父親であった。それなのに人に知られさえしなければ、快楽追求の分野では、なにをしてもいいような気になっていた。それは結局、この善良な家長が、普段の社会的行動においても、実行していたモラルだった。