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大岡昇平が私たちに教えてくれること

大岡昇平『愛について』

 家が面白くなくなったのは、高校へ進み、駅前の繁華街の夜遊びをおぼえてからである。公務員である新しい父の手前があるのか、母がそういう行動をうるさくいった。弟と妹が生まれていた。新宿の東口前の広場に、たむろする若者のうわさが新聞に出はじめたので、どんなところかと思って見に行った。そしてそのまま、川崎のうちに帰らなくなってしまったのだった。