2022-07-14 ■ 大岡昇平『愛について』 「やさしさだけが愛ではないのです。醜い地球の生活で、四六時中、妻にやさしくしていられるはずがありません。特別なものとして、まつり込まれていただけです。あなたが何をいっても怒らず、さからわず、いたわりだけで愛される。これも女をただの性的対象として軽蔑し、むごく扱うのと、かわりはありません。