2022-06-28 ■ 大岡昇平「朝の歌」 東京人同士だけ通じるらしい些細な言葉のやり取り、仕草、それらを知らないためにのけ者にされたような感じ、早く符牒に通暁したいという焦慮等々、今から思えば死ぬまで中原から離れなかった一種の劣等感を、私は最近外国に一人旅をして、始めて理解したのである。